今から1 0 0年ほど前の1920年代、大阪市が東京市を上回る人口、面積、工業出荷額を有する日本一の都市として栄華を極めた時代、大阪は世界有数の大都市「大大阪」と呼ばれていました。当時の大阪は、豊かな経済地盤を活かして商業が栄え、繊維産業を中心に工業が発展していく活気あふれる時代でした。そんな「大大阪」の1922年、大阪市北区上福島に大阪府福島商業学校が誕生し、ここに履正社の歴史がスタートしました。

爾来大正、昭和、平成、令和と続く時の流れの中で、創立者、釜谷善藏先生がかかげた「履正不畏」「勤労愛好」「報本反始」の建学の理念は、幾星霜を経ても縦一本の精神として連綿と受け継がれてきました。

2022年、100周年にあたり改めて今日までの歳月に想いを致すとき、ひと口に1 0 0 年とは申せ、危急存亡の秋が幾度もありました。関係する内外の数多の方々のお力添え、地域社会に支えられて一つ一つ歩んでこれましたことを痛切に感じ入るとともに、感謝の念を禁じ得ません。まさに建学の理念を実践する不撓不屈の魂で乗り越えた歴史でもあります。履正社は歴代の教職員の方々によって4 万名余りの卒業生のみなさまを送り出してきました。今日では、中学校、高 等 学 校 、専 門 学 校 、スイミングクラブを擁し 、生徒、学生、会員8,500名余り、教職員570名が在席する教育機関となりました。

いつの時代であっても教育は、「生きる力を身につけさせる」ことです。その為の手段は時代とともに変化しなければなりません。履正社は次なる100年に向かって、常に「大大阪」時代の初心に立ち返りつつ、不易流行を旨に匍匐前進してまいる所存です。

みなさまの倍旧のご指導、ご鞭撻をお願い申しあげます。