06 履正社の人 −RISEISHA 100 Stories

「出来た!」の声が
聞きたくて。

角島唯佳さん

(公財)尼崎市スポーツ振興事業団
『スポーツクラブWOODY』フィットネストレーナー

2011年 履正社医療スポーツ専門学校 ウエルネススポーツ科 パーソナルトレーナーコース卒業

 スポーツクラブでトレーナーをして10年以上が経ちました。利用されるお客様は高齢者の方が多く、みなさんの体の悩みは一人一人が違います。何を求められているかをしっかりと的確に判断して、楽しくトレーニングできる環境を作る。マニュアルに頼らず、向き合って、声をかけていく。その結果が笑顔につながるのは最高の瞬間です。

 笑顔といえば、「先生、出来ました。出来たんです」とジムに飛び込んで来られたお客様のことは今でも忘れられません。70代後半の女性で、ランニングを日課にしている元気な方です。ある日、ランニングコースにある公園の鉄棒で逆上がりをしようとしたら、出来なかった。「それが悔しいんよ」と肩を落とされていました。「では、こんなトレーニングをしたら」と運動を勧めた数日後、凄い勢いでクリアした報告をしていただきました。手を取って一緒に喜びました。

 ささいなことかもしれません。それでも出来なかったことが出来る、痛かったところが動く。それが高齢者の方の気持ちを明るくさせるんです。トレーナーとして履正社で学んだことと、自分の経験を生かして、みなさんに寄り添いながら「出来た」「良かった」の声を直接いただけるのが、何よりの励みになっています。

履正社だから得られたもの。

 高校ではバレー部で主にマネージャーとして活動していました。仲間に感謝してもらって、自分がみんなの役に立てることを知りました。これからもスポーツに関わる仕事がしたい。履正社のオープンキャンパスを見学し、みなさんが目標に向かって、楽しく学んでいる姿が印象に残り、入学を決めました。

 その選択は間違いではなかったと思います。充実した学生生活でした。天気がいい日は淀川の河川敷で屋外授業を受けたり、先生におごっていただいた鯛焼きを食べながら、みんなで将来の夢を語り合った日々は今も懐かしいです。もちろんトレーナーとしても先生、先輩、実習先で出会った方、みなさん尊敬できる方ばかりでした。ひとつひとつの出会いがなければ、向上心を持ち続けられなかったかもしれない。私の人生も変わっていたのではと思うほどです。

 履正社で最も大変だった思い出は大阪・舞洲で行われたランナーズ24時間リレーマラソンのボランティアでした。履正社のブースでテーピング、マッサージのスタッフとして参加しました。7月の暑い時期、しかも24時間マラソンですから、寝る間もなく、ランナーの方の対応に追われます。本当に暑かったからハードでした。

 でも辛かったからこそ、みんなで乗り越えて、やり切ったときの感動は他に変えることができないものです。一緒に過ごした仲間との絆も深まりました。今でも会うとその話をよくしますよ。履正社で学んだからこそ得られた仲間との共通体験は、大切な財産だと思っています。

 社会に出てから、この24時間マラソンにランナーとして参加したんです。同じように履正社のブースがあって、後輩たちが汗だくでサポートをしている姿がありました。嬉しかったですね。みんな夢に向かって頑張っている。私も力をいただきました。

 

Profile

角島唯佳さん

Yuka Kadoshima

1990年生まれ、兵庫県出身。武庫荘総合高校から履正社医療スポーツ専門学校でパーソナルトレーナーコースを専攻し、健康運動実践指導者の資格を取得。大阪のパーソナルトレーニングジム『PCP』を経て、尼崎・武庫之荘の『スポーツクラブWOODY』でフィットネストレーナーとして勤務